こんにちは、公認会計士の川畑です。
本日もありがとうございます!
電子帳簿保存法の電子取引ってまともに運用されるのか?というお話しです。
少し時期が外れていますが、ご相談いただくことも多いので個人的に心配しています。
【全事業者義務化】電子取引データ保存とは
電子取引とは、書面ではなく電子データでやり取りされる取引情報の記載事項すべてのことを言います。
例えばメールで請求書などを受け取った請求書などが電子取引です。
またAmazonなどでは、領収書がデータとしてしか見られませんので、こういったものも含まれます。
そしてこれまでは、電子取引で受領した取引情報を書面に印刷して保存することが許されていました。
しかし、令和3年度の改正でこの保存措置が廃止されてしまい、電子データは電子データのままで保存することが義務付けられました。
そしてこの制度は事業規模を問わず、全ての事業者に適用される制度です。
※本当は今年の1月1日からスタートする予定でしたが、あまりの知名度の低さと、実務上の影響の大きさから2年間宥恕(ゆうじょ)されたました。
全ての事業者が義務化されたけど、まともに運用できるのか?
私には、この制度はまともに運用できるのだろうか?という疑問というか心配があります。
電子取引に該当するものは全て保存して管理しておく必要があるわけです。
漏れなくです。
そしていくつかの要件はありますが、税務調査時に検索できるような形で保存する必要があります。
このブログの読者であれば、「別に余裕じゃね?」と思われるかもしれません。

確かに出来る人にとってはさほど難易度は高くありません。
ただ、全ての事業者が義務化の対象なわけで、果たして全員が対応できるのでしょうか?
電子取引データの保存が結構難しそうと思う2つの理由
私は次の2つの観点で、結構厳しい人がいるのでは?と思っています。
1.そもそもパソコンが苦手で厳しい
「パソコンはよーわからんし、あまり使わないから。」
そういう人でもしっかり対象になり得ます。
今では、パソコンなど使えなくてもみんなAmazonや楽天市場を使っているからです。
知らず知らずのうちに対象取引が発生していることになります。
その場合「パソコン使えないし、そもそもどうやって管理したら、、、。」という課題が発生します。
若い人でもこういうタイプの方は今も結構います。
専用のシステムを提供する事業者もいるわけですが、それなりにITリテラシーがなければ結構大変です。
2.ちゃんと保存する運用をするのが厳しい
記帳代行を頼んでいる場合、従来は全部印刷して、税理士に丸投げしていれば良かったわけです。
しかし、これからは違ってきます。
入力用に提出する書類は紙にしても構いませんが、電子取引のものの保管はデータのままする必要があります。
仮に税理士が記帳代行で帳簿への入力をすることはできても、どの取引が電子取引かを完全に把握することは難しいです。
気を配らなければならないポイントが増えるとなると、報酬を上げるという可能性もあります。
報酬据え置きの場合、「電子取引のものはデータで保管してください」という注意喚起が限界かもしれません。
また、小規模事業者で社長や経理担当者がひとりで回している場合はまだマシです。
顧問税理士と密に連携を取ることで対応可能だからです。
一方、少し規模が大きくなり、各種請求データ等を営業が受け取っているケースだと大変です。
請求書はしっかりデータとして提出してもらわなければなりません。
以上のように、結構シビアな制度だなと個人的には思っています。
いきなり青色申告承認取り消しってことはないけれど、、、
電子取引をデータで保存していなければ、いきなり青色申告が取り消されるということはないのはご存知の通りです。
電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】に対する追加として「お問い合わせの多いご質問」が公表されています。
その中で、電子データの一部を保存せずに書面で保存していた場合になどで、一発アウトを食らったり、経費性が否認されるものではない旨の回答がされています。
うっかり漏れなら大丈夫ということです。
まあこれは、青色申告の取り消し事由を見ればなんとなく察しがつくわけです。
仮装・隠蔽だったりでもない限り、うっかりミスみたいなものでいきなりバツは食らうことはありません。
ただ、Q&A42にも書いてある通り、状況によっては取り消し事由になり得るので注意は必要です。
これを機にちゃんと電子対応していくのがベター
コロナで在宅が増えたわけですが、まだまだ紙や手書きに頼っている事業者は多いです。
これを機に電子化していきませんか?
最初は面倒かもしれませんが、慣れるとそっちの方がずっと楽です。
ペーパレスにする場合に、よく「PDFにする時間が手間」とか言われてしまいます。
ただ、
- 書類を探す時間
- 書類整理に要する時間
- 保管に係るコスト
- いつでも・どこでも見られる(会社に行く手間)
こういうことを考慮すると、結果的にはコスパが良かったりします。
最初は確かに面倒に感じるかもしれませんが、これを機にちょっとずつ進めていきましょう。
電子取引のデータ保存方法に悩んだら?
とりあえずお問い合わせください。
運用方法や保管方法の考え方について、一緒に整理させていただきます。
- 電子取引の状況・頻度・内容
- 使用されているシステムの状況
- どのような運用がベストか?
こういったヒアリングを通して、より良い運用方法を作りませか?
編集後記
今日も午後はジメジメと蒸し暑かったですが、明日明後日も暑くなるようですね。
30℃近くなるとか・・・
なんというか、雨がダラダラ降ってたのが収まった途端にこれかよ!!!
という気分です。
せめてあと数日、天気が良くて22~23℃台の日を楽しませてほしいものです。
ちょっと恐ろしいですよね