【小規模ビジネス】経営計画「超超超」入門。面倒なら欲しい利益を決めれば良い

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こんにちは、川畑です。本日もありがとうございます!
ある程度の規模になると経営コンサルタントをつけたり、顧問税理士に追加報酬を支払って経営相談をしているケースが多くなります。

しかし、その一方で小規模ビジネスの場合には、社長が一人であれこれ考えて「いったいどうしたらええんや!!!」と頭を悩ませています。

そして、わからないからドンブリ経営でやっている方が本当に多いです。

そこで、どうやったらドンブリ経営じゃなく数字を根拠に経営が行える様になるのか?という方法について「経営計画超超超入門」としてお話します。

まあ経営計画が面倒なら、とりあえず「いくら欲しいんだよね」という利益から決めるのが一番です。

経営計画は面倒くさいが超重要

本気で経営計画を作るのはとっても面倒くさいです。

こんな感じのものを作るからです。
※見ただけでも目眩を起こす可能性があるので、難しいことは考えたくない方は数行飛ばしてください。

中小企業の経営計画

経営計画の構成として、会社の方針を作り、その下に利益計画、資金運用計画、そして目標貸借対照表を作ります。さらに利益計画の内訳として販売計画、採用計画、投資計画を考え、資金運用計画の内訳として運転資金計画と調達計画を立てます。

見ただけでも頭が痛くなりますよね。

売上が数億、数十億と規模を拡大させるのであれば考える必要があります。多くの従業員の生活が掛かって来ますからね。

とはいえ小規模ビジネスにおいてはこんな面倒なことはとりあえず考えなくて良いです。

ただし経営計画は超重要です。

何を目指すのか、いくら稼ぐのか、これをしっかり数字として抑えなければ経営は安定しません。目をつぶったまま走るのと同じ、自殺行為です。

だからこそ、経営計画超入門版を解説しあなたの経営の一助になればと思っています。

経営計画超入門

「じゃあ何からしたら良いのさ?」

そんな疑問にお応えするために「経営計画超超超入門」として、まずはこれからやったら良いですよというお話をしていきます。

キャッシュフローシートの穴埋

経営計画超入門の始まりはキャッシュフローシートの穴埋めでう

キャッシュフローシートとは、こういうシートを言います。
ちなみにキャッシュフローとは、お金の流れのことです。

まずはこのキャッシュフローシートの各項目を埋めていくことから始めます!

このあとじっくり解説しますので、今は「ふーん、そういうのがあるんだ」と思っていただければ大丈夫です。

キャッシュフローシート
西順一郎氏が著書「戦略会計STRACⅡ」で紹介するSTRAC表(現・MQ会計表)や和仁達也氏の著書「超ドンブリ経営のすすめ」を参考にして作っていますこれに穴埋めする形で作っていきます。

用語の意味
■粗利率
粗利率は粗利÷売上で計算されます。売上から原価(変動費)を差し引いた利益が粗利で、この粗利が売上の何%なのか?というものが粗利率です。
■労働分配率
労働分配率は、人件費÷粗利で計算されます。人件費が粗利に対して何%なのかを示しています。

では、さっそく穴埋めをしていきましょう!

自分が欲しい利益から決める

キャッシュフローシートを穴埋めして行くにあたり、どういう順番で穴埋めしていくの?という問題があります。

結論から言うと「利益から」です。

あなたがいくらの利益が欲しいのか?から決めていきます。

個人事業主であれば、利益があなたの取り分ですし、会社であれば配当の原資になります。

そこをいくらにするのか?はあなた自身が決めれば良いのです。

500万円あればとりあえず目先は十分なんだ!

そうお思いなら、キャッシュフローシートの利益の欄に500と入れましょう(性格に言うと税金の話がありますが、一旦置いておきます。)。

利益から入れる

なお、通常税理士などが決算の説明する際には、売上がいくらで、変動費(原価)がいくら、人件費がいくら、といった感じで説明していきます。

キャッシュフローシートで言うと左上から右下に向かってです。

しかし、こと経営計画の観点から言えば右下から左上、つまり利益から決めていきます。

売上から決めない理由

「なぜ売上から入れていかないのか?」と疑問に思われる方もいると思いますが、これには明確な理由があります。

それは「売上だけが唯一自分で決められないから」です。

人件費やその他の固定費(家賃など)は、直近の決算情報などから大方決まっています。そして利益も当然自分で決められます。いくら欲しいと思うのかで決まりますからね。

しかし、売上だけは逆算した結果「これだけの利益を出すにはこれだけ売上が必要よ」ということしかわからないのです。

必要な粗利を逆算する

じゃあとりあえず「利益ご500万円は欲しいね」ということで利益500を入れています。

続いて小規模ビジネスの場合、利益というのは粗利の20%(※)くらいになりますので、500万円を20%で割返すと2,500万円です。ということで、利益から逆算した粗利は2,500万円ですのでこれを「粗利」の欄に入れます。

利益分配20%

ちなみに人件費は社会保険などを考慮すると、だいたい粗利の60%くらいになるので、人件費は1,500万円です。

そして残り500万円が間接費と戦略費ということで、その他の固定費に入ります。

労働分配率60%

用語の意味
■間接費
間接費は、家賃や減価償却費、水道光熱費だったりを指します。
■戦略費
戦略日は広告宣伝費などを指します。

企業の場合、利益は粗利の10%
少しごちゃごちゃした話なので、面倒なら飛ばしてください。
オーナーへの分配額が20%という意味なので、個人事業主の場合には粗利の20が利益になります。一方で、企業体の場合には10%になります。10%はどこ行ったの?と言う話ですが、役員報酬です。小規模〜中小企業の場合には、社長とオーナーは実質一体であるケースがほとんどです。そうすると役員報酬としての分配がオーナーへの分配を構成することになります。

必要な売上を割り出す

ここまでで必要粗利がいくらなのか?を計算してきました。

さて、最後に売上です。

売上は粗利を粗利率で割り返すことで逆算できます。しかし粗利率は業種によります。

例えば美容院などのサービス業の場合には粗利率は80%くらいだったりします。

この条件で500万円を手元に残したい場合に必要な売上は「3,125万円」です!

2,500万円を粗利率80%で割返しています。

粗利率80%

ちなみに卸売りのように粗利率が10%程度の業種の場合には、2億5千万円の売上が必要です。

どうでしょう。

500万円手元に残すにはいったいいくら売上れば良いの?という漠然とした状態から、少し答えが見えて来たのではないでしょうか。

なお、3,125万円という売上は次の仮定で割り出された数字です。

  • 粗利率80%
  • 労働分配率60%
  • その他固定費率20%

この仮定を変えると、実際には3,125万円で500万円より多い額を手元に残せる場合もあります。そのあたりについてはこちらで詳しくお話していますので、本記事では割愛させてください。

キャッシュフローシートの穴埋めが終わったら

キャッシュフローシートの穴埋めが終わり、必要な売上が3,125万円と分かりました。あとはいったいどうやって3,125万円の売上を作るのか?という問題だけです。

どうやって売上を作るのかを書き記しましょう!それが販売計画です。

ここからは「どう販売するのか」、これを必死になって考えるのです。

売上は突き詰めれば「単価×数量」に過ぎません。

私は「こうすれば売れる」という方法はわかりません。あなたのビジネスについて最も詳しいのはあなたです。

「えー、どうやったら売れるか教えてよ!」と思われたかもしれませんが、それをもし私が思い付いたなら、あなたのライバルとして参入することになります(笑)

冗談は置いとくとして、私に出来るのは「どうやって計画を立てるのか?」と「社長がどうしたいかを一緒に考える」ことのみです。

そして一人で語るブログでは、「どうやって計画を立てるのか?」は語れますが、「社長がどうしたいかを一緒に考える」ことはできません。

ですのでお力になりたいのは山々ですが、このブログを参考にさっそく計画を立ててみてください!

もし難しいようであれば、お問い合わせいただければお手伝いさせていただきます!

ちなみにここまでで実は最初にお見せしたこの画像の利益計画と販売計画は出来てしまっているのです。

経営計画超入門でも、これだけのことをやると圧倒的に差が出ます。

中小企業の経営計画

編集後記

今日は美容院に行ってきました。

最後に髪をセットしてもらうのですが、自分でやってもなかなかうまくキマらないのにばっちりカッコよくなるんですよね。

些細なことのようでも、やはりプロは違うんだな~としみじみと思います。

それと花粉症なものでベランダにしばらく出てなかったのですが、、、

なんと、黄色い粉が出るレベルで花粉が溜まっていたのです。

驚愕しました。

即バケツに水を汲んできて全部流しました。

早く花粉の季節よ終わってくれ・・・

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ABOUT US
川畑文秀
公認会計士に大学在学中に合格し、監査法人に6年弱勤務していました。 現在は監査法人を退職し、公認会計士・税理士兼経営コンサルタントとして経営に役立つ情報を発信中。社長業は孤独な仕事です。私はそのパートナーとなるべく活動しています。趣味はゴルフで、ビールとワインが大好きです。