持続化給付金詐欺はなぜ発覚するのか?3つの理由

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こんにちは、公認会計士・税理士の川畑です。
本日もありがとうございます!

さて、持続化給付金詐欺で東京国税局の職員が逮捕されるなど、何かと世間が賑わってますね。

給付金詐取疑い、東京国税局職員ら7人逮捕 | カナロコ by 神奈川新聞 (kanaloco.jp)

今回のような持続化給付金詐欺ってどうして発覚するのでしょうか?

そういう内容の記事です。

ちなみにこれから何らかの不正行為を行おうとしている方がいたら、記事の最後の方を読んでみていってください。

何か気づきがあるかも知れません。

持続化給付金詐欺はなぜ発覚するのか?3つの理由

まあ早い話が、

  1. 単価が低くて数をこなさなきゃいけない
  2. 本人確認を誰かにやらせなければならない
  3. 基本的に世間知らずの子供

この3に尽きます。

理由①:単価が低くて数をこなさなきゃいけない

今回の事件では2億円ほどを不正に受給していたようなので、200人ほどにやらせたことになります。

1件100万の給付金ですからね。

そこから20万円を抜くわけですから、200人やってこれでやっと4000万円。

川畑文秀

掛けるリスクに対してたった4000万円ぽっちなのはとりあえずおいておきましょう。

全部怪しい申請なわけですが、数をこなすことで、同じような怪しい申請が増えるわけです。

当然違和感があります。

特にこれまで申告していなかった人が大半なわけですからね。

理由②:本人確認を誰かにやらせなければならない

単価安いって言ったって、オレオレ詐欺だってそんなもんじゃない?

と思う方もいるかもしれません。

しかしあれは所詮個人間の騙し騙されです。

川畑文秀

金を持って行った相手が誰かはわかりません。

一方で給付金の申請には「本人確認書類」がいるわけですから、当然「本人」がいるわけです。

誰に給付したかがわかっている以上、一人でも口を割ればおしまい。

自分達の身内数人を管理すれば良いのであれば、なんとかなるかもしれません。

しかしそれなりに稼ぐためには、今回のように200人もの人間に不正をさせることになります。

とすれば、200人もの人間の管理をし続けなければいけません。

おそらく知り合いじゃない人間も相当数いるでしょうから、漏れなく管理はかなり厳しいはずです。

理由③:基本的に世間知らずの子供

国税というか、大人がどういうことをしてくるか?についてあまりに無知で世間知らずなケースが大半です。

今回は割と若い子たちがやったケースですが、年齢に関係なくこの手の詐欺をする人間は世間知らずです。

今回の給付金は、とにかくスピード重視であとからバンバン摘発すれば良い

これくらいのつもりでだしています。

きっと「人数が相当数いるから、不正したって大丈夫」と思っているわけです。

ただ、大前提は後から摘発。

グレーな申請はともかく、露骨に怪しいやつだけに絞ると件数はしれてます。

申請内容・やり方の稚拙さが目立つ

「暗号資産取引で個人事業主として申請」などという稚拙な手段を取るあたりも世間知らずです。

せめて飲食店を偽装してやるとか、もっと「まともな商売」に隠すべきなわけです。

暗号資産などという、まだ世間一般では「なんか胡散臭い」と思われている事業で申請するあたりが稚拙です。

木を隠すなら森の中であるべきです。

さらに200人もいれば翌年の申告をしていない人間が相当数いるのはほぼ確実です。

ただでさえ暗号資産で怪しさポイント1獲得しているのに、

  • 突然個人事業主として申告
  • 事業内容は暗号資産取引
  • 翌年以降は特に申告なし

こんな数え役満的な「アウト」を大人が見逃すとでも思っていたのだとしたら、本当に世間知らずなわけです。

詐欺だと知らなかったとしても、こんなことに違和感を覚えないようでは遅かれ早かれ自分が鴨にされてしまいます。

もちろん逃げたリーダー格はその辺を踏まえた上で実行したのかもしれません。

不正の手口、詐欺の手口は基本は使い古されている

こういう話をすると「会計士だって不正を見抜けてないじゃないか」みたいなことを言われます。

もちろんそうです。

東芝の件しかり、見抜けていない不正はたくさんあるでしょう。

しかし、素人の考える「おれの考えたさいきょーのスキーム」というのは既に1億5000万回くらい使われている手法です。

大半がニュースにすらならず見つかって、処理されています。

まあごく稀に網から抜けてしまった事案というのもあるわけですが。

ただ、いずれにせよ不正というものはバレます。

もしこの記事を読んでいる中で、これから「お!このやり方ならいけるぞ!」と思って不正をしようとしている方がいたらやめましょう。

あなたが考えついた程度の不正はすぐバレます。

考えた本人は思いもつきませんが、普通に違和感があるんですよ、まともな人間が見ると。

レベルの低い不正とたかだか100万、200万のために人生を棒に振るのはやめましょう。

勉強して努力した方が、よっぽど低リスクでお金稼げますからね。

以上、持続化給付金詐欺はなぜするのか?でした

編集後記

これから不正受給の摘発が増えるんじゃないかなと思います。

インサイダー取引なんかもそうですが、普通にバレるので本当にやめたほうが良いですよ・・・

天気が良かったので、みなとみらいへ遊びに行きました。

息子は以前この噴水が突然吹き出してきて、びっくりしたトラウマから「近くで見る」ことしかしなくなってしまいました笑

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ABOUT US
川畑文秀
公認会計士に大学在学中に合格し、監査法人に6年弱勤務していました。 現在は監査法人を退職し、公認会計士・税理士兼経営コンサルタントとして経営に役立つ情報を発信中。社長業は孤独な仕事です。私はそのパートナーとなるべく活動しています。趣味はゴルフで、ビールとワインが大好きです。