節税は規制・資金繰り悪化リスク高。結局本業で攻めるのが良い

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こんにちは、川畑です。
本日もありがとうございます。

令和4年税制改正大綱で、いわゆる足場レンタルとかドローンレンタルあたりが規制される方向で進んでいます。

これまでも節税保険なんかが封じ込められたりとと、何かと節税策には風当たりが強い状況です。

ちなみに私は「節税するくらいなら本業で稼ごうよ」派です。

節税ってどうせ規制されるし、そもそも資金繰りに悪いよねというお話をしていきます。

国は税金を公平に取りたい

まず大前提として、国は税金を公平に取りたいと思っています。

ルールに基づいて、同じ条件の人はみんな同じように税金を払ってね。
というのが税金の仕組みです。

また、各種特例なんかは国の政策を反映して「こうして欲しいから、やってくれたら税金軽くするよ」ということで要因されます。

ということで、それは趣旨に反するんじゃないの?という節税策は潰されます。

その節税はズルくね?で規制

税法の穴を突く節税策は、遅かれ早かれ潰されます。
一番最初に思いついてやった場合には、うまく切り抜けられるかもしれません。

しかし二番手三番手、少し流行り始めたころにやろうとすると国税が「ダメよ」と待ったをかけます。

いたちごっこではありますが、絶対的な権力のある側が意図も簡単に規制をかけます。
あまりに露骨な節税策はリスクが高いです。

節税策は資金繰りを悪化させる

本当の意味での節税とは、資金繰りに影響を全く与えずに税金を減らせるものを指します。

こういうキャッシュアウトを伴わない節税策は、国の政策で認められた特例税制、つまり公式節税みたいなごく一部しかありません。
※それでも一定条件を満たすための支出を伴う場合が多いです。

そして業者の提案する節税策は非公式節税と言えます。
これらで資金繰りに影響がないものは存在しないと思っていただいて差し支えありません。

税金40を嫌って100払う?

簡単な算数の話です。

利益400、税金40なら手元に残る現金はいくらでしょう?

答えは60です。

では利益0、税金0なら?

もちろん0です。

後者が節税策を取った場合の資金繰りです。

40の税金を消すために、60も余計なキャッシュアウトが発生します。
資金繰りが悪化しているのが一目瞭然です。

早い話が次の二択な訳です。

  • 国に100のお金のうち40を支払う
  • 100を丸々業者に支払う

もちろん「国には一銭たりとも払わない!」と言うのであればそれで良いです(最終的に業者を経由して結局国に行きますが。)

節税より本業で攻める

節税でお金を吐き出すのであれば、そのお金を本業に回すのが良いでしょう。
本業以外への投資判断の主目的が「節税」では、上手く行くはずがありません。

そもそも本当に儲かるのであれば、どうしたって利益が出てしまうわけです。
利益が出てしまうということは税金がかかるということ。

節税のための投資で利益が出て、税金を払うなら、それは節税ではなくて「ただ上手く儲け話」です。

なぜ業者は「節税商品」を売り込むのでしょうか?
ここからはあくまでも邪推です。

儲け話として売り込むと、怪しんでやってくれないor損したら怒られます。

一方で、節税策なら「税金を払いたくない心理」を上手くつけるし、損をさせても「節税ですから」と言い張れる。

うーむ、なるほど、、、

節税策として余計なことをするのではなく、単に事業投資として、本業としてしっかりビジネスとしてやった方が良いと思います。

節税対策で得するのは?

結局甘い汁を吸うのは業者です。

税法というか、会計の仕組みと言うのはうまく出来ており、損を出さずに税金を回避する方法はほとんどありません。

スキームを考えるだけ。

お金を出すのもリスクを取るのも、全部会社です。

節税策の闇、ほとんど課税の繰延

そもそも大半の節税商品は課税の繰延です。
本来支払う分を将来に繰り延べるだけで、支払う税金の絶対額は変わりません。

まあ色々な語り口で将来の損金とぶつけるからどうのと売り込んでくるわけです。

例えば社長の退職金の損金とぶつけることで、結果的に課税されない様にするとかです。

で、そんな10年後20年後に都合良く退職出来るんでしょうか?会社の業績だってどうなっているかわかりません。

そしてその節税策に本当に効果があったのか、答え合わせするのは何年も先の未来です。

そういう節税策を講じた業者は、効果が結局なかったことに責任を取ってくれるのでしょうか?

その場しのぎの節税案に乗ったおかげで、何年も苦労されている社長がいます。

ちなみにうまく出口戦略が成立しなければ、対策なしの場合と税額は同じです。

繰延型節税では、出口戦略成立が100%でないことや業者への手数料分損とも言えます。

無理な節税はツラい

100の利益、40の税金、手残り60の所の話に戻ります。

節税は負のエネルギーで押し進めることになります。

本業に直接関係ないことや、取引時にワンクッション挟むなどをすることになります。
すると、節税目的以外に合理的説明がつかない無駄な挙動に時間とお金を吸い取られるわけです。

国税は「ズルは許さないよ」とイタチごっこを仕掛けてくるので、ずっと「あー、これもダメにされた、あれもダメか」と負のエネルギーで戦うことになります。

これ、楽しいんですかね?

私ならプラスのエネルギーで楽しく経営をしていきたいです。

例えば手残りを100にしたければ、利益を167にすると考えた場合どうでしょう?

売上をどうするのか、粗利率をどう改善するか、労働分配率をどう調整するか。
常に前向きに戦うことになります。

後だしジャンケンもありません。

負のエネルギーで戦うのは、マイナスのオーラを纏うので常に辛い戦いになるのではないでしょうか?

まあ、オーラとかいう雰囲気の世界のみでなく、現実の資金繰りがキツくなりますしね。

それなら本業でガンガン稼ぐ方に力を入れた方が楽しいと思います。

税理士の役割とは?

「税理士は節税を提案するもの」という感じがあります。

まあ確かに税理士は税法を司る専門家なので、その抜け穴を探して納税者を保護するという意味では「その通り」と思う気もします。

しかし、本当にそうなのでしょうか?

税理士であれば、そういうグレーゾーンを攻めると国税がどういう動きをして来るかだって容易に想像がつくはず。

ましてやキャッシュアウトを伴わない節税策など存在しないことは、重々承知しているはずです。

ではなぜ「節税」などという甘い言葉で「節税策」を提案してくるのでしょう?

それは「経営支援」より自分の成果を主張しやすいからです。

「40万節税したから10万くれや」みたいな感じですかね?笑
まあ40万節税するために、60万と報酬10万を余計に払うハメになっているわけですが、、、

編集後記

私自身も税金や社会保険料に萎えることはあります。

国に渡したくない。どうせロクなことに使われない。

そういう気持ちがないわけじゃありません。

ただ、国に渡すのを嫌うあまり、本来手元にあるお金をどうあるべきかを見失ったり、他所の業者の懐を温めるだけの行為はしないように気をつけたいものです。

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ABOUT US
川畑文秀
公認会計士に大学在学中に合格し、監査法人に6年弱勤務していました。 現在は監査法人を退職し、公認会計士・税理士兼経営コンサルタントとして経営に役立つ情報を発信中。社長業は孤独な仕事です。私はそのパートナーとなるべく活動しています。趣味はゴルフで、ビールとワインが大好きです。