中小企業がわざと赤字にする3つのデメリット。メリットはない。

ランキング参加中!応援よろしくお願いします!
にほんブログ村 士業ブログ 公認会計士へ
にほんブログ村

こんにちは、公認会計士・税理士の川畑です。

本日もありがとうございます!

「税金対策で”わざと”赤字にしてんだよ」という言葉ってよく聞きますよね。

私は昔からこれについて疑問がありました。

今日は

  • わざと赤字にすることにデメリットってないの?
  • そもそもわざと赤字にするメリットは?

こういう疑問のある方向けに「中小企業がわざと赤字にする3つのデメリット。メリットはない」と題してお話していきます。

読んでいただいた後には、

よし、黒字を目指して頑張ろう!

そう思っていただけるようになっていると思います。

中小企業がわざと赤字にする3つのデメリット

デメリット①.赤字は銀行融資に影響が出る

わざと赤字決算の最大のデメリットが、銀行融資への影響です。赤字にすることで、金融機関からの借入の難易度がグッとあがります。

融資を受けられなくなると言うことは、

  • 将来への投資資金の額が足りず会社が消耗する
  • 運転資金が尽きて倒産

こういうリスクを抱える事になります。

また、金融機関は融資をする際に債務者区分を設定して、その会社がお金を返せるのか?

こういうことを審査しています。

一過性の赤字の場合には、原因が特定しやすく「今回だけだよね」という説明もつきやすいです。

また、創業赤字のように、創業初期の5年程度の期間であれば「まあ最初は赤字は普通」ということで合理的な事業計画があれば説明に納得してもらえます。

一方で、わざと赤字を出すと言う事は「毎年赤字」という慢性的な赤字企業になるということ。

継続的な赤字会社は、債務者区分が引き下げられて融資が受けづらくなってしまいます。

デメリット②.わざと赤字のつもりが本気の赤字で倒産

こちらも個人的にはデメリットだと思っています。

わざと赤字にするためには、

  • 節税商品の購入
  • 必要以上の経費使用

こういったことを組み合わせる必要があります。

しかし、例えば今期限りの対策としての節税商品ならともかく、

  • 次から次へとさまざまな商品を購入している
  • 慢性的な無駄遣いが染み付いている

こういったケースでは、「何が理由で赤字になっているのか?」が曖昧になってきます。

すると節税なんかしなくても「本業の稼ぐ力が落ちて赤字になりはじめた」という事態の赤字に気がつくのが遅れます。

普段は黒字なのに、今期は赤字になりそう

こういうケースでは「ん?どうした?」としっかりと状況を分析します。

しかし「毎年”わざと”赤字にしてるんだ」という思いがあると、赤字な必然的に出るものと勘違いするリスクがあるわけです。

そしてそのまま、、、、

この辺りについては、こちらの記事でもお話しています。

デメリット③.経営のモチベーション維持が難しい

最後のデメリットは、経営のモチベーション維持が難しいという点

これはあくまで感覚的な話ですが、

  • 毎年売上も増え、粗利も増え、最終利益も黒字でしっかり成長している会社
  • 毎年売上はあまり変わらず、常にわざと赤字にしている会社

どちらが経営していて楽しいか?という所です。

おそらく大半が前者です。

もちろん毎期成長し続けるのは並大抵のことではありません。

そっちの方がモチベーションを保ちやすいのは事実です。

中小企業がわざと赤字にするメリットは「ない」

よく、わざと赤字にするメリットとして

  • 法人税を安くできる
  • 赤字を繰り越して将来の黒字と相殺できる
  • 法人税の還付が受け取れる

こういったものがあげられています。

ただ、

メリット?①.法人税を安くできる

というのは、そもそも赤字会社は単なる赤字でも、わざとの赤字でも同じこと。

それにその分経費が出るわけです。

経費が出ると言う事はお金が出ていくと言う事。

どちらにしたってお金は出ていくわけです。

別にメリットではありません。

メリット?②.赤字を繰り越して将来の黒字と相殺できる

中小企業は10年間赤字を繰り越して、全額を黒字にぶつけることができます。

ただしこれって理屈から言うと、将来黒字が出なければならないわけですよね。

わざと赤字にし続けている限り、永久に相殺する黒字は出ないことになります。

当然メリットではありません。

メリット?③.法人税の還付が受け取れる

これも赤字の繰越と同じような理屈で、メリットではありません。

たしかに中小企業の場合には、繰戻還付はありますが、それは前期にちゃんと黒字を出して納税していることが前提です。

毎年わざと赤字にしているのであれば、前期も当然赤字。

還付を受け取れる黒字の年が前期にはありません。

中小企業もわざと赤字より黒字経営の方が良い

川畑文秀

わざと赤字より黒字経営の方が良くない?

というのが私の価値観です。

たしかに国や自治体にせっかく稼いだお金を吸い上げられるのが嫌だという感覚はわかります。

利益を出すためにケチくさい節約をしたって仕方がない、それならバンバン使ってわざと赤字にすれば良い

こういう価値観というのも当然あると思います。

それでもやはり

わざと赤字より黒字経営の方が良くない?

ということです。

「ぜーきん対策でわざと赤字にしてんだよ」というのは「本当は黒字なんだけどね」というアピールに過ぎません。

でも「ぜーきんドンドン増えちゃって、、、」という方がカッコ良い気がします。

ドンドン増えると言う事は、毎年ドンドン利益が出ていると言う事。

そして気がつけば、ちょっとした節税対策くらいでは賄いきれないくらいの利益が出るようになるわけです。

だからこそ、私は黒字の方が良い

そう思うわけです。

編集後記

息子が「ねーねーなにやってんのー?」という言葉を覚えたのですが、絶妙にむかつくタイミングで繰り出してきます(笑)

  • 泣き散らかした後の鼻水を拭いてあげている時
  • こぼした食事を拾ってあげている時

こういう時に「ねーねーなにやってんのー?」と聞いてきます。

おい、この野郎!!!!と言いたくなるのをぐっとこらえる日々です(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
川畑文秀
公認会計士に大学在学中に合格し、監査法人に6年弱勤務していました。 現在は監査法人を退職し、公認会計士・税理士兼経営コンサルタントとして経営に役立つ情報を発信中。社長業は孤独な仕事です。私はそのパートナーとなるべく活動しています。趣味はゴルフで、ビールとワインが大好きです。