中小企業で経理がずさんな3つの理由!経営戦略につなげないと倒産リスク高

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こんにちは、公認会計士・税理士の川畑です。
本日もありがとうございます!

中小企業の中には、経理がずさんな会社がそれなりにあります。

川畑文秀

ずさん経理から脱却したい社長や社員の方向けの記事です。

この記事を読んでいただくことで、

  • どうして経理がずさんになるのか?その理由
  • 経営戦略に繋げないと倒産リスクが高まる
  • じゃあどうしたら良いのさ

こういったことがわかるようになっています。

中小企業で経理がずさんな3つの理由

中小企業において経理があまりにずさんと言える会社というものはそれなりにあります。

  • 全く帳簿をつけていない
  • 領収書もテキトーに管理
  • 債権債務の管理が全くできていない
  • 現金の残高が合わない
  • 預金の残高が合わない

あげているとキリがないくらい、ずさんな経理の例というものがあります。

幸い私が関わらせていただいた会社で、「ずさん」と言えるような会社はほとんどありませんでした。

中小企業の経理がずさんな理由1.
社長が経理を軽視する傾向にある

一番多い理由はおそらくこれです。

社長が経理をかなり軽視している場合には、ずさんになります。

税務申告をしなきゃいけないから仕方なくやっているorやらせている

こういうケースでは、ずさんな経理になる傾向が非常に高くなります。

中小企業の経理がずさんな理由2.
社内に経理をきっちり出来る人間がいない

次の理由が人材です。

キッチリ数字を扱うのにはそれなりのセンスと才能が必要です。

特に「帳簿や資料間の数字が合っていないと気持ち悪い感覚」

こういう感覚を持ち合わせていないと経理はつらかったりします。

まあもちろん税理士に記帳をお願いすることで、この辺は心配はなくなります。

ただ、その場合に社内に会社のお金の数字がわかる人がいない状態になってしまうこともよくあります。

中小企業の経理がずさんな理由3.
経理を難しく考えすぎている

経理というと、簿記を思い浮かべますよね

  • 勘定科目は○○にしなければいけない
  • 税務上の取り扱いを考えなければいけない

こういうテクニカルな内容をちゃんとやるには、それなりの知識と経験が必要です。

たしかにこういう知識は大切です。

ただ、そういうテクニカルな部分は税理士に任せても良いわけです。

肝心なのは、帳簿をつけるという記録する習慣です。

これをいい加減にすると、会社の状況が全くわからなくなってしまいます。

経理を経営戦略と捉えないずさんな中小企業は「倒産リスク高」

さて、どうして中小企業で経理がずさんになるか?についてお話してきました。

このブログを読んでくださっている社長さんに関しては、全く心配ないとは思います。

ただ、経理というものを経営戦略と捉えず、ずさんな処理を続けると倒産リスクが高まってしまうわけです。

ずさんな経理は倒産リスク高

ずさんな経理をしていると

資金繰りがわからなくなる
正しい利益がよくわからなくなる
社員にお金を横領されても気が付かない
債権の回収状況がよくわからない

一例ですが、こういった問題がボンボン出てきます。

そしてこれらを放って置くと、倒産ということになってしまいます。

企業経営というものは、10社に1社しか生き残れない世界です。

ずさんなことをやっていると、必然的に9社側になってしまいます。

経理は経営戦略に活かす

もちろん

  • 会計処理をちゃんとしましょう!
  • 税務会計を勉強しましょう!

こういったことを経営戦略に使いましょうということではありません。

統一された処理方法で行う経理が、会社の経営戦略につながるとは必ずしもいえないからです。

編集後記にこの辺りのマニアックな内容は書いておきます。興味があれば読んでみてください。

いずれにせよ、経理を経営戦略に活かすためには「正しく経理」をする必要があります。

正しく経理をするとは?

正しく経理するとは、自分で自分の会社の状況を読める状態にしておくことです。

決算書を作るための処理にせよ、社内の管理用の数字を作るにせよ元となる数字がなければ作れません。

例えば現金を受け取ったなら、とりあえず受け取った金額と日付と内容はメモをする

こういった習慣が「正しく経理をする」ということの基礎で、これさえ出来れば、ほとんど経理は正しく出来たとも言えます。

経理を経営戦略に活かす方法

正しく経理する方法が分かったあとは、どう経営戦略に活かすか?ということになります。

経営をしていく上で、社長のセンスと才能というものも大切です。

ただし、自社の状況を正しく判断するには数字が必要です。

どれだけ優れたパイロットであっても、飛行機の計器を見て飛びます。

どこかに異常が出ているかを察知するためには、計器をしっかり見る必要があります。

会社の数字もこれと同じです。

  • 売上が落ち始める前兆
  • 自社の利益率が悪い原因
  • 資金繰りが悪化し始める兆候

こういったものは数字に如実に現れます。

これらを把握するための方法が

年計表とABC分析なわけです。

年計表とは、毎月毎月その月を含む1年間の売上を集計してグラフにしたものです。

季節変動のある業種や、突発的な理由で売上が大きく変動した月がある場合に、この影響を均して全体としての動きを把握することができます。

ABC分析とは、パレートの図を使った分析方法で、得意先別や商品群別に売上の多い順に並べて非効率や想定より売れていないものを洗い出す手法です。

こういった分析を行う上でも、正しく経理を行うことが大切です。

編集後記

ちょっとマニアックな内容ですが、、、

財務会計の本質的な目的

財務会計において会計処理を正しく行う本質的な理由は、比較可能性の確保にあります。

統一した規格がないと決算書を見た人がよくわからんから、同じやり方でやろうね

こういうルールなわけです。

ちなみに会計基準の概念フレームワークでは、意思決定有用性が会計基準を設定する上での重要な指標だとされています。

意思決定有用性とは、企業に投資したりするか否かの意思決定に役立つ情報が開示できるか?ということです。

ただ、お話した通り、本質は比較にあります。

会社によって経理処理がバラバラだと、同じ取引をそれぞれの都合の良いやり方で処理されてしまいます。

そうすると投資する際に会社によってめちゃくちゃで、投資家は困ってしまいますからね。

そういう意味で、本当は個社にとって都合の良い集計方法や考え方があるにも関わらず、比較するためにとりあえず「規格」が必要なわけです。

税務会計の本質的な目的

そして税務会計とは、結局のところ公平な課税の実現です。

同じような取引をしているのに、課される税金が違うのは不公平ですよね。

これも会計基準の比較可能性に似た考え方でもあります。

ただ税務的には財務会計の利益計算では認めたくない、課税するのに都合が良くない部分に調整が入ります。

また時の政府の政策の都合で、さらに色々な特例などが出たりします。

一定のルールはいるけど、自分たちのやりやすい使い方をするのが◎

このように、財務会計や税務会計は各社の都合や実態をとりあえず無視して、外部の人が見た時に都合の良い形に変形させられます。

こういう意味で、経営戦略的にはちょっと使いづらかったり、新しいビジネスモデルに対応してなかったり

こんな感じの不具合が生じてしまうわけです。

まあもちろん会社の都合の良いやり方で出した数字と、会計基準にのっとった数字の間には決まったルールで調整すると一致する仕組みが必要です。

元となる数字は同じで、それをどういう理屈で考えるか?という違いなだけなので、どうやっても合わせられないような数字の使い方は「ずさん」といえます。

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ABOUT US
川畑文秀
公認会計士に大学在学中に合格し、監査法人に6年弱勤務していました。 現在は監査法人を退職し、公認会計士・税理士兼経営コンサルタントとして経営に役立つ情報を発信中。社長業は孤独な仕事です。私はそのパートナーとなるべく活動しています。趣味はゴルフで、ビールとワインが大好きです。