こんにちは、公認会計士の川畑です。
本日もありがとうございます!
社長が「これをやるんだ!」と思っても「いや、そうはいっても・・・」といってなかなか現状のやり方を変えてくれない社員たちがいます。
どうして新しいことを否定するんだろう・・・
そうやって頭を悩ませている方というのは本当に多いです。
今日は、どうして社員って新しいこと嫌うんだろうね?ということを考えていきたいと思います。
また、最後に対策をお話していきます。
社員が新しいことを嫌う理由
ルーティンワークが好き
変化を嫌う社員はルーティンワークが大好き。
毎日同じやり方・手順でやる方が楽だからです。
ルーティンが刷新される様な変化は嫌いで「今のやり方でも問題ない」「新しい事を覚えるより今の方が早い」と言います。
もちろん中には優秀な人もいて、本人の中では自分ルールで効率化を行っています。
ただ、仕事のやり方を根本的に変える様なことは受け入れてくれません。
例えばDM発送作業があるとします。
こういう仕事の場合「効率的に封筒に詰める方法」みたいなものを確立しているケースはあります。
しかし、DMの発送方法を大きく変えるとか、そもそものやり方を変えるといったルーティンが変わるようなことには拒絶反応を示します。
自分が忙しくなるのが嫌
新しい事を嫌う理由として、忙しくなるのが嫌というのがあります。
既に例に出していますが「今の方が早い」と言って、新しいことを嫌います。
確かに機械やシステム導入したとしても、新しい仕組みを取り入れた当初は効率が悪いです。
慣れていないですからね。
その結果としてしばらくは忙しくなってしまったりします。
それが嫌なのです。
しかし、ずっとやってきて最適化されたやり方と比較して「今の方が早い」と言うのは少しズルい気がします。
新しいことを学ぶのが嫌
単に新しいことを学ぶのが嫌という場合もあります。
新しい仕組みに変わると言うことは、新しく学ばなければならないと言うこと。
人間は本能的に現状維持バイアスがあるので、今のまま、今出来ていることを変えたくありません。
ましてや新しく勉強しなければいけないなんて絶対嫌だという人が多数です。
総務省が平成28年に行った「平成 28 年社会生活基本調査 生活時間に関する結果」によると、1日平均約6分という結果が出ていたそうです。
それくらい勉強嫌いなわけですから、新しいことを学ぶ姿勢など内に等しいわけです。
部課長が変化を妨げる
これ、結構あるのですが、決裁権を持つ部課長が抵抗してくるケースもあります。
部課長は年齢的に40代後半〜50代であることが多いです。
過去の経験から新しいことがある程度上手くいきそうかどうかの知恵があります。
この知恵というのが厄介で、だいたいわかってしまうが故に「あー、あれと同じ、上手く行かないよ」と思ってしまうわけです。
しかし多くは過去の知識や経験から得たものです。
変化、特に技術が高速に進歩する現代において、過去の技術に関する経験は逆に足を引っ張ることもあります。
例えば音声入力。
数年前には使い物になりませんでしたが、今やほぼ完璧に認識して文字に変えてくれます。
またOCRも同じです。
文字をテキスト認識する技術も飛躍的に伸びており、活字であれば99%以上の精度でテキスト化してしまいます。
10年前ダメだった経験で、今の技術を考えてしまっているケースが大半なんです。
新しいことにチャレンジしない組織の末路
ここまで、新しいことを社員がやりたがらない理由についてお話してきました。
では変化にチャレンジしない組織はどうなってしまうのでしょう?
私は「消える」と思っています。
恐らく業績の悪化というより、優秀な若手社員がドンドン来なくなることで組織が老化していくのです。そして人が老衰するが如く、最後は消えていくのだと思います。
現状維持とは衰退でしかないのです。
新しいことに挑戦し続けるのは大変なエネルギーを使います。
しかしそうであっても、必死に前に進み続けなければいけません。
現状維持とは、テトリスでブロックを消さなければゲームオーバーになるようなものなのです。
社員に新しいことをさせる方法
では社員に新しいことをさせる方法について考えていこうと思います。
新しいことへチャレンジする人を圧倒的に評価する
大前提として挑戦する文化のある組織にするためには、挑戦する習慣のある人を圧倒的に評価する必要があります。
「ちゃんと残業代出すから頼むよ」というのではなく、しっかり追加のボーナス等に反映すべきです。
残業代とは、チャレンジに対する報酬でなありません。
単に労働時間が増えた分の手当が支払われただけのこと。
チャレンジする人は圧倒的に評価して、ボーナスでバッチリ差をつけていく必要があります。
やり甲斐も大切ですが、お金を稼ぐビジネスの場において、チャレンジする人へ報いる唯一の方法は金銭的な報酬です。
チャレンジして失敗しても減点しない
これも大切なことです。
「薩摩の教え」では男の順序は次の様に決めろと言われています。
- 何かに挑戦し、成功した者
- 何かに挑戦し、失敗した者
- 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手伝いをした者
- 何もしなかった者
- 何もせず、批判だけしている者
- 何もせずに批判するだけではなく、足を引っ張る者
5、6は卑怯者です。
しかし肝心なのは、3、4の失敗しなかった者たちより、挑戦して失敗したものを評価している点です。
失敗したことに対して減点することで、挑戦する姿勢を絶やしてはならないんです。
若手を社長直属の部署に引き込む
新しいことをやるときは、若手に引っ張らせる必要があります。
若手は経験値は低いですが、新しいものに対する順応性が高いです。
また、最近の技術などについても詳しかったりします。
その若手を社長直属の部署を作り、新しい仕組みを推進してもらうのです。
なぜ社長直属かというと、直属にしておかないと古参の社員たちが色々「ありがたいアドバイス」をし始めるからです。
すると若手は色々な声に振り回され、何が正しいのか分からなくなってしまいます。
だから社長が「俺のプロジェクトとして進めてもらうんだ!」と囲い込む必要があるのです。
給料アップの計画と方法を伝える
新しいことを始める時に、それがなぜ必要なのかをしっかり伝えることが大切です。
そのために売上や経費がどのように社員の給料に反映されているかを説明する必要があります。
キャッシュフローシートを使って、どうやって給料が生まれているのかを伝えるのが良いでしょう。
売上から利益までの流れがあり、どこをどう動かすと人件費が増えるのか?
これに具体的な数字を当てはめて説明するのがおすすめです。
キャッシュフローシートの具体的な作り方は、こちらの記事で説明していますので、参考にしていただけると幸いです。
結局繰り返し話すしかない
元も子もないですが、結局のところ経営計画発表会などで「会社としてこうるす」ということを繰り返し説明するしかありません。
人は人ですから、すぐに変わってはくれません。
しかし
会社としてこういう未来を描いている。
だから「これが必要なんだ」そして
そして結果として会社の利益はこうなる
同時にみんなの給料はこうやって増える予定だ
だからみんなで力を合わせて頑張ろう
こういうことを繰り返すしかないのです。
いきなり組織の風土は変わりません。繰り返し社長が「こうしたいんだ」という未来像を語ることで、少しずつ変化していくのです。
編集後記
もうすぐ3月も終わりです。
2022年になってからもう3カ月も経ってしまうのか・・・と驚くばかり。
人生というものはあっという間に終わってしまうのかもしれません。
1秒たりとも無駄にせず、充実させていこうと改めて決意しました。
もちろん「意味のある無駄な時間」を楽しむことも重要ですが。
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