【4630万円誤送金】繰り返される1円61万株問題の対策方法はないのか?

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こんにちは、公認会計士の川畑です。
本日もありがとうございます!

4630万円誤送金問題が話題になっています。

会計士的に「あー、やっぱり似たようなことは繰り返されるよね」と感じました。

こういった繰り返される類似のミスをどうしたら回避できるのか、少し考えてみました。

細かい経緯までは追っていないので、認識相違があるかもしれませんのでその辺は報道をご確認ください。

4630万円誤送金問題とは?

4630万円誤送金問題とは、山口県阿武町で実際に起こりました。

具体的には、新型コロナウイルス対策の給付金を、対象だった463世帯に10万円ずつ振り込むところ、阿武町の職員が誤って、24才の男性の口座に4630万円を振り込む手続きをしたというもの。

そして残念なことに、その男性はオンラインカジノに使ったから返せないといっているそうです。

本当かどうかは知りませんが。

そんな男性は、18日に電子計算機使用詐欺容疑で山口県警に逮捕されました。この一連の問題のことです。

そもそもの責任は役所にある

この誤振込の件で、結構前から男性にフォーカスが行き叩かれています。

顔写真や昔の話までメディアに晒されています。

もちろんこの男性に問題がないわけではありません。

通常であれば、返すべきです。

  • 誤って振り込まれたお金をなぜ使ったか?
  • なぜ返さないのか?

という点が批判される論点なのは当然です。

ただ、この問題は役所が振り込まなければそもそも起きなかった問題。

問題の原因を作ったのは誰か?と言われれば100%役所なわけです。

振り込んだ先がまともな人間に振り込まれてたから良いとかそういう話ではありません。

返さないという問題だけにフォーカスが行き、どうしてこういう事務エラーが起きたのか?

がなんとなく曖昧になると、いつもの通り「二重三重のチェック」みたいな全く役に立たない「再発防止策もどき」が作られてチャンチャンになりかねません。

ちなみにこの問題のニュースを最初に聞いた時、会計士的にはとある事件をすぐに思い出しました。

それは、2005年にみずほ証券で起きた「1円61万株問題」です。

繰り返されるみずほ証券1円61万株問題

1円61万株問題」は2005年にみずほ証券で起きました。

そしてニュースを聞いた瞬間、この手の問題は繰り返されるんだなぁと感じました。

この事件の詳細は既に語り尽くされているので、ここでの解説は最低限にします。

簡単に言うと1株61万円の売りのつもりが、職員のミスによって1円で61万株の売りが出されたということです。

※ちなみにこの誤った売り注文で数億円以上儲けた個人投資家がいます。

こういう事例は過去にあったにも関わらず、同じことが起きると言うことは「過去の事例は活かされない」ということです。

なのでおそらく今回のケースの対策として「チェックリストor人員増やします」とか「システムいれます」みたいな対応をとっても、必ず似たような問題は起きます。

会計士流ミスやエラーの防止法

会計士をやっていると、企業の内部統制というものをチェックしたり、コンサルとして作ってあげたりする仕事があります。

内部統制とは、簡単に言えばミスや不正が起きない仕組みです。

担当者が1人でデータ入力をすると間違えたり意図的に変なデータ入れられちゃうかもしれないから、入力係と確認係を分けたら良いんじゃない?

みたいなものが内部統制的な考え方です。

こういった内部統制は大手企業なら必ずあります。

しかし、同じような内部統制を持ちながら、それが機能している会社としていない会社があります。

この差はなにかと、内部統制を運用する人の差です。

内部統制が機能するかは人の差

結局いくら内部統制などというシステムを作ったところで、それを運用する人間がその意味を理解して適切に使わなければ内部統制はただのガラクタです。

スーパーカーに乗っても素人じゃそのポテンシャルを引き出せないのと同じです。結局は操る人の差が出ます。

ということで、会計士流ミスやエラーの防止法は「ちゃんとそのチェックの意味を考えようね」です。

「いやいや、そんなもの人間の気持ち次第じゃないのよ」

そう言われそうですが、その通りです。

ただ、お話した通り、いくらチェックリストをつくろうが、システムを入れようが、人の気持ちが入らなければ機能しません。

ちなみにみずほ証券の事件も、システムがさんざんアラートを出していたのに無視されたそうです。

ちゃんと仕事をしたのに可哀想なシステムさんです。

結局ミスをするのは人間。

となると、「人間の気持ち」みたいな不安定な要素を何らかの形でミスを見つけることに向けさせる必要があります。

ではそれな何か?と言われたら、思い当たるのは「お金」としか言いようがありません。

ミスを見つけて損失を回避した奴にお金出したら?

今回のケースでも、ノーチェックということはあまり想定されません(ノーチェックでやるような仕事ではないはず)。

しかし、チェック作業というのは単純になりがちでつまらない仕事です。

つまらないし面倒な仕事、下っ端に投げるに決まっています。

そして下っ端は、面倒なのでテキトーに処理するわけです。

で、チェック係の上長は面倒だからと投げつけた張本人。
当然承認印は盲判になります。

そんなんでエラーは防げませんよね。

そこで、お金の出番です。

損失の回避とは、利益の獲得

たくさん売上をとってきた営業マンは、通常インセンティブで莫大なボーナスがでます。

商品を売ったと言うことは、粗利を稼いだことになり、会社の利益が増えるからです。

さて、では、損失を回避した場合にはどうでしょうか。

例えば利益4,000万円だったはずなのに、今回のようなエラーで損失が4,000万円出た場合、利益は0円になってしまいます。

もしこれを防いだのであれば、4,000万円の利益を稼いだのと同等の価値があります。

で、これを見つけて回避した人にお金が出るのか?といわれると一般的には出ません。

感謝される程度です。

組織の莫大な損失を回避するという貢献にも関わらず。

5万や10万ボーナスを増やしたあげても良いはずです。

人の気持ちを「ちゃんとチェックしよう」と思わせることは難しくても、「大きい金額でミスをみつけたら10万手に入るぜ」みたいな感覚にさせることで、結局同じ結果が得られます。

会社などの組織としても数百万、数千万、数億という実損を回避し、さらにこれに対応するための人件費なども払わずに済むのですから逆に安いのではないでしょうか

編集後記

損失回避で報奨金というお話をしましたが、公認会計士がクライアントの不正やミスを監査で発見すると貰えるものがあります。

川畑文秀

「仕事」です(笑)

もちろん不正やミスを発見するのが我々の仕事ですから、当然と言えば当然です。

しかし、会計士と言えど所詮人間。

「会計士法第1条の使命を全うしなければならないんだから、ちゃんとやるんだ」という不安定な要素を持つ人の気持ちにただ頼るのは、割とリスクな気もしています。

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ABOUT US
川畑文秀
公認会計士に大学在学中に合格し、監査法人に6年弱勤務していました。 現在は監査法人を退職し、公認会計士・税理士兼経営コンサルタントとして経営に役立つ情報を発信中。社長業は孤独な仕事です。私はそのパートナーとなるべく活動しています。趣味はゴルフで、ビールとワインが大好きです。