こんにちは、公認会計士の川畑です。
本日もありがとうございます!
私は日ごろから会計教育って大事だよな~と考えています。
もちろん私自身が公認会計士という資格を持って仕事をしているというのもありますが、それを差っ引いても会計は大切だと思っています。
2022年4月から高等学校で導入される新学習指導要領でも、金融や資産運用なんかが盛り込まれています。
2022年度から高校の「金融教育」はどんな内容に変わるの? | 東証マネ部! (money-bu-jpx.com)
さて、今日は会計教育が大切だと考える理由についてお話していきます。
教えるのは会計的な理屈ではない
私は公認会計士ですが、会計学的な学問を教える気はサラサラありません。
あくまで会計学は学問であり、理論的美しさを追求しており、実務的ではないからです。
もちろん会計士ですから、理論的な美しさというものが嫌いな訳ではありません。むしろそういうアカデミックな話は好きです。
しかし、子供たちがそういった変態チックな領域を好きなタイプかどうかは分かりません。
無理にそんなことを教えても仕方がないですし、生きる上では嗜好品です。
なので、もう少し本質的な、生きていくうえで役立つような会計を教えてあげたいと思っています。
公認会計士の私が子供に会計教育をする3つの理由
今、私には2歳の息子と0歳の娘がいます。
子供が産まれると色々と教育をしてあげたくなるのが親というものの様です。
じゃあ近い将来、何を教えるのか?と言われると「会計」と答えています。
もちろん英語やプログラミングなども大切だと思いますが、とりあえず会計だと私は思っています。
そして、会計とはお金です。
それを踏まえて、会計士の私が子供に会計教育をする理由お話します。
理由1:お金のセンスを身に着けさせたいから
まずはお金のセンスを身につけさせたいからという理由があります。
子供たちが将来どのように生きていくのかは分かりません。
もちろん好きなように生きて行ってくれれば良いと思います。
しかし、子供たちに会計教育を通じてお金のセンスをしっかり身につけておいて欲しいのです。
先天的にそういうセンスがある人もいるかもしれません。しかし、大半の人はそうではありません。
事業をしている人で、上手く行っている人たちと会話すると、なんとお金のセンスがあることか・・・
お金に対して産まれながらの才能がないのであれば、後天的に基礎的な部分を教育しなければなりません。
そのために大切なのが、金勘定のやり方です。
そして、金勘定とは会計です。
会計的思考によって、頭の中でお金の動きをパチパチと算盤弾きができるようにさせてあげたいのです。
経営者になるにしても、サラリーマンになるとしても、
ある程度成功をしていくためには、金勘定は必ず付きまといます。
理由2:お金に対する罪悪感を持たせたくないから
次の理由に「お金に対する罪悪感を持たせたくない」という思いがあります。
日本人にありがちな、金儲けは悪という思考回路を決して持ってほしくないのです。
もちろん悪いことや人を騙すようなマネをしてする金儲けは決して許しません。
しかし、適正な報酬として受け取るお金を拒絶したり、お金を稼いでいる人に嫉妬をして足を引っ張るような人間になって欲しくないのです。
お金に対して適切な距離を保ち、必要な報酬はしっかりもらい、ちゃんと使い方を知っている。
そんな大人になって欲しいわけです。
そのためには、子供のころから会計教育を通じてお金に触れさせ、お金の扱い方を教えることで「お金に対する罪悪感」を持たないようにさせる必要があると思っています。
理由3:帳簿を付けるというクセが大切だから
最後の理由が「帳簿を付けるクセが大切だから」というものです。
理由1・2と似通っているように思いますが、ちょっと違います。理由1・2は、頭の中でのお金に対する感覚の鋭さだったり、向き合い方のことです。
これに対して「帳簿を付ける」というのは、お金に対する感覚や向き合い方とは異なる能力です。
いくらセンスがあろうとも、人間の頭のレベルなんて知れています。覚えていられないのです。
※もちろん神がかり的な記憶力がある人がいることは理解しています。
しかし、
- まめに帳簿(記録)を付けるクセ
- どうやって帳簿を付けるか
こういうことはセンスだけではカバーしきれません。
ちゃんと記録を取るというクセは、これはこれで別の能力なのです。
だからこそ、会計士としては、子供たちに帳簿を付ける教育も必要だと考えています。
この感覚は会計士ならではの感覚かもしれません。
いずれにせよ、現金出納帳だってどう書いて良いか分からない大人というのは割といます。
そして、それが故にビジネスで苦労するのを知っているので、とにかくそれは避けてほしいのです。
別に公認会計士になんかならなくて良い
親として、子供には公認会計士なんか目指してほしいとは思っていません。
「公認会計士なんか」と言っていますが、会計士がダメと言っているわけではありません。
わざわざ「親が会計士だから会計士を目指さなければ」という、くだらない勘違いをして欲しくないのです。
もちろん色々考えた上で、結果として「会計士を目指したい。」と思ったのであれば、それはそれで良いと思います。
しかし、まずは最低限の会計(お金)の素養を持った状態で、あとは自由にやりたいように生きて欲しいです。
私が公認会計士になったというか、目指した理由も当初は大したものではありませんでした。
結果として今があるだけです。
編集後記
子供に会計を教えるというと、つい簿記的な側面で教えたくなってしまう気持ちもあります。
帳簿のつけ方なんかを教えると、簿記に寄ってしまうからです。
まあこれは職業病なので、しかたないのですが・・・
どちらにしても会計的な物の考え方ができた方が便利です。
会計屋の私としては、それを優先して教えてあげたいなと思うわけです。
そのための第一歩はお小遣い帳な訳なんですがね。
そういう意味でも会計的な理解なしに、こういった説明を受けるのと、会計的な理解があるのとでは大きく効果は変わってくると思っています。