こんにちは、公認会計士の川畑です。
本日もありがとうございます!
税務調査では必ず行われると言って良い「現金実査」
現金実査とは、、、
実際の現金を数えて、現金出納帳などの帳簿に書かれている金額と一致するのかを確かめることです。
税務調査はさておき、現金が合わないのは何が問題なのかについてお話していきます。
現金が合わないのはなぜ問題か
現金が合わないのがなぜ問題なのか?というと、現金の管理レベルでその会社全体のレベルが何となくわかるからです。
公認会計士として上場企業等の監査をしていて現金実査で残高が合わないということはありません。ゼロといっても過言ではないでしょう。
最近は不正対策で手元の現金をほとんど持たないケースが金融機関なのでは普通です。まあいずれにせよぴったり合うものと思ってください。
だからこそ現金が帳簿と合わない、つまりお金という大切な会社資金の扱いが雑な場合、その他の部分も雑な可能性が高いと言えます。
経営計画などの未来の話の際には1円単位でものは考えません。ただ、目の前にあるお金とは別の話です。1円を笑うものは1円に泣くと言う通り、お金の管理が雑だといずれ困る日がやってきます。
現金が合わないと起きる様々な弊害
現金がしっかり管理されていないと次の様な弊害があります。
- 横領に気がつく事ができない
- 単純に現金を無くす
- 社長や役員の個人的な支払が混じる
- 売上の記録漏れが出る
- 経費のダブりがある
こんな感じです。
そして現金に対する意識が低いと、会社全体に資金に対する感度が下がっていきます。
特に会社として困るのは横領だと思いです。
はっきり言って現金残高が日常的に合わない会社であれば、誰でも簡単に抜けます。
何年もかけて何百万、何千万と横領されたというのはよくある話です。
現金が合わない問題への対策
現金は真面目に毎日記録をしてもズレてしまいます。
レジの打ち間違いやお釣りの渡し間違い、レシートの記録漏れなど、人間がやる以上どうしたって起きます。
それだけ現金管理は難しいです。
なので、中小企業や個人事業における現金が合わない問題への対策は「常に合っている」を目指すのではなく「常にズレに気がつく」ために行うのがベターかなと思います。
週一で帳簿残高を合わせる
ある程度の頻度で残高の確認を行うのは王道中の王道
なんだよ、そんなことかよと思うかもしれません。
しかし現金過不足に気が付くためには帳簿と実際残高の突合せしかありません。
ちなみに大企業では日次で現金の締めをしているので、毎日帳簿と合わせています。
金融機関では、1円合わないだけでも全員残業で原因解明ということも普通にあります。お客様から預かったお金ですからね。
このように理想は毎日ですが、出来れば週に一度、あまり現金が動かない会社なら最低でも月末には現金を合わせるようにしましょう!
ほぼチェックしていない会社の場合、現金残高マイナスなんてやばいケースもあります。
現金マイナスはさすがにヤバいですよ。何がやばいか分からない社長は本気でアウトなんで私のブログなんか読んでないで今すぐ会社行って残高チェックしてください。
レシートなどはスマホで写真を撮っておく
特に横領や売上の隠しが無い場合、現金が合わなくなる理由の大半が経費の記録漏れです。
現金で払った経費の領収書やレシートを「あとでやろ」と思って忘れるパターンです。
あとでやりたくなる理由が、手元に出納帳がないからです。だったら持ち歩いているスマホを使いましょう。
写真を撮って帳簿に記録できるサービスもあるので、それを活用してその場で出納帳に記録するというのが楽です。
また、そうでない場合でも写真に残ってさえいれば内容と金額の確認はできます。
もちろん税務上はスキャナ保存の要件を満たさないと、写真は証拠としては認めてもらえませんが、無いよりましです。
それに税務上認められるかと経営の管理は別。
何だかわからない現金の動きを減らすに越したことはありません。
そもそも現金を極力使わない
これはある意味ジョーカー的な手段です。
現金管理が大変なら現金使わなきゃよくね?という考え方です。
最初にお話しましたが、今は大手企業などでは手元に持っている現金はほとんどありません。
総資産数千億の会社の本社に現金実査へ行って現金が私の財布の中身より少なくて驚いた記憶があります(笑)
現金払いを減らす方法として一番多いのは、やはりクレジットカード、口座振替、QRコード決済の利用です。
こうすることで現金の支払いがなくなるので、現金を合わせる手間はかなり減ります。
また現金商売だと中々難しいこともありますが、基本はキャッシュレスの推進です。
私の家の近くに完全キャッシュレスのコーヒー専門店があるのですが、こういった店舗は最近かなり増えてます。
外部サイトですが、参考にどうぞ。
「完全キャッシュレス店舗」国内事例まとめ。上島珈琲、プロント等参入続々と – dataway (dappsway.com)
現金管理には釣り銭の用意もありますし、ある意味ひとつの効率化手段だったりします。
またキャッシュレスには副次的に「来て欲しい客層」を絞り込めると言うメリットがあります。
偏見ですが、現金の信頼性が高い日本では、キャッシュレスで支払いをしている層は「若くて良い」客層だったりします。
確かに現金払いを封じることで、クレジットカード会社等への手数料や現金払いの客層を失うことになります。ある意味戦略的に差別化できたりします。
編集後記
いつも土曜日はゴルフ練習に行きます。
朝6時起きで7時には練習場について、1時間半ほどのんびり実務書を読んだりブログを書いたりして過ごします。
今日の調子は上々。ただ、若干左に引っ張り気味でした。
テイクバックの時の動きがインサイドアウト軌道過ぎたのかもしれません。
私の行く練習場はカフェが併設されているので、ここでゆったり自分の時間を確保するのが習慣になっています。
午後は息子を連れて山下公園へ。
マンボウもあけていたし、良い天気だったからか凄い人でした。
今日の記事に興味がなくても、最後の編集後記だけでも読んでいっていただけると嬉しいです!